片田 珠美

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発売日: 2006-09
発売元: 洋泉社
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買いです。
本文中でも触れられている「精神分析という手法は、文学分析理論などでほそぼそ命脈を保っている」といった類いの好奇心からこの手の本を読み始めた自分のような者は意外と多いように思うので、いざこういった文言を目の当たりにすると、なかなか複雑な気持ちになりました。概ね面白く読めましたが、先日の秋葉原のような事件を起こす人に、SSRIのような副作用の一見少ない薬の長期服用者が多いといった分析は、そういったアプローチからの研究の必要性は認めますが、扱いを誤るとまた新たな偏見の温床になるような危惧も残ります。
車の両輪
この本を精神分析家の自己弁護本と捉えるのは適当ではない。
事実、薬物治療自体を非難する主旨の記述は見受けられない。
著者が主張しているのは、あくまでも「適切な」薬物治療が行われるべきだということである。
「適切さ」という視点に立てば、現在の精神医療における薬物治療の大半が「患者の精神の抱える病理に立ち入らずにただ漫然と対症療法を繰り返すもの」になっているという状況が適切でないという認識を、多くの人が共通に持つものと思う。
薬は本来病気が治るのを手助けするだけのものであり、風邪などの病気であれば最終的には自然治癒力に任せることになる。
しかし自然治癒能力が機能不全を起こしている精神の持ち主の場合、薬を飲んで休んでいさえすれば勝手に治ってくれるわけではない。
機能不全の原因に向き合えるところまで押し上げてくれるのが薬であり、その先は自らの力でやるしかないのだ。手助けが欲しければ、精神療法を用いると良いだろう。
それが無理だと言われたら、それが可能になる程度まで薬の力を借りるべきであると答えたい。
金が無ければどうしようもない話かも知れないが…。
うつが治った者として
うつと診断され、6年、完治といわれて4ヶ月が経ちました。いつ治るかわからないどん底にいた時、抗うつ剤は、自分にとってひとつの光でした。何度も襲ってくる副作用、病気がそうさせるのか、薬がそうさせるのかわからなくなる時もありました。副作用のほうが辛いんじゃないかと思うこともありました。でも、抗うつ剤を抜くととたんに体調が悪くなる。その悪循環でした。この本は、抗うつ剤を全部否定しているのではなく、自分の都合のいい部分だけ薬でなんとかしようと思わないことといっています。薬で壁は乗り越えれないと、壁は自分で突き破れと。完治した今だから言えるのかもしれません。薬では、うつは治せませんと。