フランク ミナース

定価: ¥ 540
販売価格: ¥ 540
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発売日: 2005-09
発売元: PHP研究所
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無責任な意見は止めて欲しい
著者は専門の精神科医だけにムチャな内容を書いている訳ではないが、立場上鬱病を分析・治癒できると言う建前で書いている。しかも、宗教観の味付けをしている。
私は長期鬱病患者で専門の医師にも掛かっているが、精神科医のアドバイスが効いた試しがない。私の症状として強度の不眠症が出るので、導眠剤欲しさに通っているようなものである。私個人の見解では、鬱病対策は長期休養しかない。とにかく何もしないで休むのである。しかし、会社に勤め家族を養う立場ではそれもままならない。世の中で何の責任も持たず、「心の荷物」が空になれる事が可能なのか ? また、鬱病になるキッカケも人様々で、本書のように分析できるようなものではないと思っている。
どうか、本人の努力で鬱病は治るとか、本人の心がけ次第で鬱病は防げるとかの信仰めいた言説を唱えるのは止めて欲しい。
幸福もうつも「選ぶ」もの
うつとは何か、どのようにして人はうつになるのか、どのようにすればうつを克服できるのかを、心理学や性格分析の専門知識等を用いて、非常に鋭い切り口で説明している。「うつは選んでなるものである」というのが著者の主張である。一見、自ら敢えてうつを選ぶ人なんているわけがないと思う。しかし、本書にあるように人間の性質を細かく分析していくと、この受け入れがたい事実が明らかになる。
うつを経験した者としても、全くその通りだと思える記述が連発する。幼少時代の過ごし方、家族との関係、うつによって得られる不当な報酬、他人に拒否されることへの恐れや怒りとうつの関係など、著者の主張は非常に鋭い。本書を読むと、よく目にする「うつは心の風邪」などという言葉が、いかにも製薬会社が薬を売るために製作した安っぽい標語に見えてくる。
しかし、あまりにも鋭い表現のために、ある程度重いうつの人が読むには抵抗があるように思う。また、訳者がまえがきで断っている通り、著者はキリスト教徒で、宗教的な表現や聖書の引用が多く用いられていて客観性を欠きやや読みにくいところもあった。
「どうやってうつを克服するか」の章は、多くの納得できる内容が紹介されているが、そうすべきだとは思えても実行に移すのが難しそうなものが多かった。裏表紙の出版社による紹介文はあまり適当でないと思う。本書は、うつの人が自分でうつを克服するためというよりも、家族や身近な人がうつを克服する手助けをするための参考にするのに適していると思った。