上野玲

定価: ¥ 1,470
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発売日: 2008-10-03
発売元: 並木書房
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精一杯生きている
これまで沢山の鬱に関する著書を書いている上野さんご自身の自叙伝。
ここまで、自分の半生を赤裸々に記載したものを読んだのは初めてでしたので、衝撃と共に一気に読み進めることが
出来ました。
上野さんのご家族のこと、両親のこと、そしてその後の全国うつ講演などで失敗を経験しながらも、必死に生きている姿が
記述されていてとても印象深い一冊です。
そしてもう一つ、大切なことは、家族の存在です。特に奥様はずっと旦那様とお子様を支え続ける忍耐力や包容力の大きさを感じずには
いられません。そのような家族がいたからこそ、上野さんは今もうつと共存しながら、生きていられるのだろうなと思います。
鬱が強い時の辛さについてもじんわりと伝わってきますが、それでも生き続けていることの意味を上野さんは
実体験の中から読者に訴えかけています。
上野さんの新書と共に、この本で彼自身の生々しい体験をご覧ください。
それでもみんな生きていく
僕のうつうつ生活、それから
著者である上野さんの、その後、が綴られた力作。
編集者の方から「遺書ではないですよね?」と確認をされるほどに、赤裸々に
ご自身の半生が綴られています。
この前作に位置づけられる「アカルイうつうつ生活」は、ご自身の不調ととも
に家族が歩まれ回復していく様子が綴られています。
本作品では、子供の頃に母親から受けた影響や父親との関係、その関係性の中
でもがきながらも進んでいこうという気持ちが描かれます。
また、著者はある事件を契機にうつの度合いを深めていきますが、その課程の
ジレンマ、その結果として発生した家族の変化等、身にしみて感じる部分が
あります。
私自身が患者であり、家族であるという状況の中で、この本は決して明るい
内容ではないながらも、やさしく諭すようにささやきかけてくれた本です。
しばらく頑張ってみようという気持ちになりました。
病と共に生きるという事
あれこれ考えさせられた本である。
病気にハッピーエンドなんてない。人生にハッピーエンドなんてない。
がんを直した患者は、再発の恐怖から逃れる事はなく、すべての活字の中で「がん」という文字を常に探してしまうと聞いた。
再発率が高いのは、うつも同じである。ただ、がんと違うのは、再発の兆候を自分で自覚しにくいという事や、病気の特性からして「うつ」を克服する療法を粘り強く求めていく事がないということか。まさにそれが肉体の疾患と精神の疾患の違いなのだろう。
上野さんのこの本を読むと、遺伝的(生物的なものか、環境的なものかは不明だが)要素に苦しみ、普通の生活をしていると思っていたら、いつの間にかまたうつになっている、といった、不治の病の苦しさがひしひしと感じられる。また、うつである事による生活の困窮も。
上野さんには、非常に非常に苦しいだろうが、是非、生き続けて欲しいと思う。
「生きているだけで丸儲け」「明けない夜は無い」月並みな言葉であるが、こんな言葉を何度も何度も繰り返したくなった。